世界各国で急速な成長を続けているTikTok Shop(TikTokショップ)が、ついに日本市場でも本格展開を迎えます。2025年6月30日から、国内セラー向けの申請受付がスタートしており、多くのセラーがTikTok Shopに注目しています。この記事では、TikTok Shop参入の判断材料となるメリットや出店方法について詳細情報を解説していきます。
TikTok Shop(TikTokショップ)とは?注目のEC機能を詳しく解説
TikTok Shopは、動画プラットフォーム「TikTok」に統合されたショッピング機能です。最大の特色は、コンテンツ視聴と商品購入の境界を取り払った点にあります。視聴者は気になった商品を動画再生中にリンクをタップするだけで購入できるため、従来のような外部サイトへの移動が不要です。この仕組みにより、購買への心理的ハードルが大幅に下がっています。
ライブ配信やショート動画といったエンターテイメント要素を通じて商品価値を訴求し、そのまま購買へと誘導します。この一連の流れは、従来のECサイトとは根本的に異なります。
海外では既に実績を上げており、アメリカ市場では2024年に90億ドル、インドネシア市場では62億ドルのGMV(総流通額)を達成しています。日本では2025年6月30日から正式にサービスが開始される見込みで、国内EC業界にとって新たな転換点になることが予想されます。
TikTok Shop出店で得られる主なメリット3選
1)販売手数料7%とキャンペーン特典
コストの観点で特に魅力的なのが、TikTok Shopの料金設定です。基本的な販売手数料は7%となっていますが、早期参入者には大幅な優遇措置が用意されています。
2025年7月以降に商品登録数が3点を超えているセラーは、手数料が3%まで削減されます。
特に注目すべきは、月額固定費が現段階では発生しない点です。これにより、売上規模がまだ限定的なセラーや、薄利多売の商材を扱うセラーでも参入しやすい環境が整っています。
2)TikTokアプリ内購入によって購買率(CVR)が大幅に向上
TikTok Shop独自の強みは、発見から購入までの導線がアプリ内で完結することです。ユーザーが商品に興味を持った瞬間から決済完了まで、途中離脱のリスクを最小限に抑えられます。
実際の導入事例を見ると、一般的なECサイトと比べて購入率が15〜25%も向上したケースが報告されています。国内でも従来のライブコマースでは外部サイトへの誘導が必要でしたが、アプリ内決済の実現により更なる向上が期待されています。
また、TikTokユーザーの購買行動は他のSNSプラットフォームと比較して3倍も積極的であることが調査で明らかになっています。この高い購買意欲により、マーケティング施策の効率性も大幅に向上すると予想されます。
出典:GoDataFeed / The Short Media
3)影響力を持つクリエイターとの効率的なアフィリエイト
TikTok Shopに搭載されているアフィリエイト機能を活用すれば、数万から数十万のフォロワーを持つクリエイターとの連携が可能です。彼らが動画やライブ配信で商品を紹介し、実際の売上につなげてくれます。
この仕組みの最大のメリットは、完全成果報酬型である点です。売上が発生した分のみ手数料を支払えばよく、効果の見えない広告費用を投下するリスクがありません。
管理画面では、クリエイターの専門分野や視聴者の属性、過去の販売実績などを詳細に検索できるため、自社のターゲット層に最適なクリエイターを見つけられます。これにより、ブランドイメージを保ちながら効果的なプロモーションを展開できるのです。
出店前に準備しておきたい必要書類と条件
TikTok Shop出店方法の実行段階に入る前に、登録に必要な書類を事前に揃えておくことが重要です。一般ユーザーとしてのTikTokアカウントとは別に、商業利用のためのセラー登録が必須です。
提出書類は事業形態によって異なるため、個人事業主での参入か法人での参入かを予め決定しておく必要があります。
個人事業主での登録に必要なもの
- 身分証明書(運転免許証、パスポート、在留カードのいずれか)
- 事業用銀行口座の詳細情報
法人での登録に必要なもの
- 商業登記簿謄本
- 代表者の身分証明書
- 法人口座の情報
- 特定商取引法表記に関する各種情報
セラーアカウントの開設に必要な6つのステップ
ステップ1:TikTok Shop管理システムへのアクセス
TikTok Shop Seller Centerの公式サイトにアクセスし、販売者向けアカウントを新規作成します。登録方法は「電話番号・メールアドレス」もしくは「既存のTikTokアカウント連携」から選択できます。

ステップ2:事業区分の決定
運営主体が個人事業主か法人かを選択します。

ステップ3:基本的な事業情報と証明書類の登録
個人事業主の場合、「日本のパスポート」「日本の運転免許証」「日本の在留カード」から選んで本人確認を行います。

法人の場合は、「企業名」「法人番号」「所在地」「設立関連書類」「代表者情報」を詳細に入力する必要があります。

ステップ4:連絡窓口の設定
ショップ運営に関する連絡先情報を登録します。

ステップ5:店舗基本情報の設定
店舗名称や運営責任者の詳細を入力します。

ステップ6:申請内容の審査
全項目の入力完了後、審査プロセスに入ります。通常は数営業日で結果が通知されますが、場合によっては数時間で完了することもあります。

TikTok Shopの初期設定
審査承認後は、TikTok Shopの管理画面(Seller Center)へのログインが可能になります。実際の販売開始に向けて、以下の設定を順次完了させましょう。

1)配送・返品の設定
商品の発送元住所と返品受付先の住所を設定します。外部の物流サービスを利用する場合は、配送パターンのテンプレート作成も必要です。

2)売上金の受取口座設定
販売代金を受け取るための銀行口座を登録します。入金タイミングは以下の3パターンから選択可能です。
| 入金タイプ | 入金タイミング | 
| 通常入金 | 商品配達から15日後 | 
| 早期入金 | 商品配達から3日後 | 
| 延期入金 | 商品配達から31日後 | 

3)商品カタログの構築
最低でも10商品の登録が推奨されています。商品数が多いほど、ユーザーの目に触れる機会が増加します。登録方法は「個別手動入力」「既存ECサイトとの同期」「CSVテンプレートによる一括登録」から選択できます。
商品登録の基本的な流れ
- 商品詳細と配送情報の入力
- 登録内容の送信と審査申請
- 審査通過後、TikTok Shop上での販売開始

4)TikTokアカウントとの連携方法と活用のコツ
TikTok Shopのセラーアカウントには、2種類のTikTokアカウントを紐付けることができます。それぞれ異なる役割を持つため、戦略的な活用が可能です。
公式アカウントは、ブランドの顔となる主要アカウントです。企業の信頼性やブランドイメージの構築に重点を置いた運用が求められます。
マーケティングアカウントは、より柔軟な販促活動に活用できるサブアカウントの位置づけです。地域別店舗(東京店・大阪店など)や、ブランドアンバサダーのアカウントとして運用することが可能です。
最大4つまでアカウント連携が可能なため、ターゲット層や商品カテゴリーに応じて使い分けることで、ブランドの一貫性を保ちながら多角的な集客チャネルを構築できます。

TikTok Shop出店方法のまとめ
この記事では、TikTok Shopの基本的なサービスから実際の開設手順、運営開始までの初期設定について解説しました。
重要なポイントを再確認すると
- 動画視聴から決済まで途切れないユーザー体験
- 早期参入による最大90日間の優遇手数料(3%)
- 成果報酬型クリエイターマーケティングによるリスク軽減
これらの要素により、TikTok Shopは従来のECプラットフォームにはない独自の価値を提供しています。市場参入の好機が到来している今こそ、本記事を活用して新たな販売チャネルの開拓に挑戦してみてください。

 
  
  
  
  






















