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インフルエンサーでTikTok Shop売上拡大|海外成功事例と選定ポイントを徹底解説

TikTok Shop(TikTokショップ)でインフルエンサーを活用した販売戦略が、既存EC事業者の間で大きな注目を集めています。海外市場では、クリエイターとの協業により爆発的な成果を挙げる企業が続出しており、日本でも同様の成果が期待されています。本記事では、実際の成功事例をもとに、効果的なインフルエンサー活用方法と選定のポイントを詳しく解説していきます。

※TikTokやTikTok Shopでは、インフルエンサーのことを『クリエイター』と呼びます。

インフルエンサー(クリエイター)活用がTikTok Shop(TikTokショップ)成功の決め手

TikTok Shop(TikTokショップ)は、視聴者が偶然目にした動画やライブ配信で購買意欲が刺激される「発見型」のECプラットフォームです。欲しいものを自分で探す従来のECスタイルとは違い、視聴者自身も気づいていない潜在的ニーズを引き出す効果が期待できます。海外市場では既に、クリエイターが手がける動画やライブ配信が大きな盛り上がりを見せています。

TikTok Shopには、ショート動画に商品をタグ付けしてその場で購入できる「買い物カート付きショート動画」や、ライブ配信を通じてクリエイターが視聴者と交流しながら商品を紹介する「ライブコマース」、プロフィールページに商品を掲載して購入につなげる「プロダクトショーケース」など、多彩な販売機能が備わっています。

また、TikTok Shopは月額料金がかからず、必要なコストは販売手数料7%のみとなっています(2025年7月現在)。まだ事業規模が大きくないEC事業者でも、初期費用を抑えながら収益化しやすいのが魅力です。

発見型ECならではの特性により、従来の検索型ECではアプローチが難しかった新たな顧客層へのアプローチが可能になります。クリエイターによるエンタメ性の高いコンテンツを通じて、商品を自然な流れで紹介できます。動画視聴という日常の延長で商品と出会えるため、購入への心理的なハードルが下がりやすくなるのが特徴です。

TikTok Shopアフィリエイト機能でインフルエンサー(クリエイター)と協業する仕組み

TikTok Shopには、クリエイターが動画などを通じて商品を紹介し、売上に応じて報酬を得られる「アフィリエイトプログラム」という仕組みがあります。アフィリエイトに参加するには、フォロワー数が1,000人以上であることが条件です。販売を依頼する事業者(セラー)にとって、クリエイターの持つ情報拡散力が商品の魅力を広く届ける手段として期待されています。

TikTokのショート動画を見ているうちに、配信者の紹介をきっかけに商品が欲しくなったという方は少なくありません。実際、日本でTikTok Shopが始まる前から、TikTokの動画をきっかけに商品を購入した経験があるユーザーは33.9%にのぼり、2024年のTikTok経由による推定消費額は2,375億円に達するという調査結果も出ています。

出典:TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜(2025年6月発行)

セラー側にとって、アフィリエイトプログラムが成果報酬型であることは大きなメリットです。この仕組みにより、初期費用を抑えながら多くのクリエイターと連携できるほか、販売数が伸びなかった場合でも無駄なコストが発生しません。アフィリエイト報酬は1%〜50%の間で自由に設定できるため、商品の利益率やLTVをもとに戦略的に決めることができます。

インフルエンサー(クリエイター)活用で成功を収めた海外企業の実例3選

ここからは、アフィリエイトプログラムを活用し、クリエイターとの連携によって成果を上げた成功事例を3つ紹介します。海外では先行してTikTok Shopのサービスが展開されており、爆発的な売上成長を遂げた企業も多数存在しています。日本でも同様の成功を収める可能性は十分にあるため、ぜひ参考にしてみてください。

事例1:MySmile(アメリカ)

出典:TikTok for Business Success stories MySmile

1つ目に紹介する企業は、アメリカのオーラルケアブランド「MySmile」です。TikTok Shop上でクリエイターが歯のホワイトニングを実演する動画やライブ配信を行ったことで話題となり、ホワイトニングキットの販売数が大きく伸びました。歯が白くなっていく様子が視覚的にわかりやすく伝わったことが、売上向上につながりました。

同社は3カ月間でGMV(商品総取引額)が100万ドル(約1.5億円)以上増加し、コスト削減にも成功しています。ROAS(広告費用対効果)は300%を維持しながら、CPA(顧客獲得単価)は80%削減されており、非常に高い費用対効果を実現できた事例です。

事例2:Milk Makeup(アメリカ)

出典:TikTok for Business Success stories Milk Makeup

2つ目に紹介する企業はアメリカのコスメブランド「Milk Makeup」です。同社は、動物由来の成分を使用しないビーガン向けのメイクアップ製品を展開しています。商品の魅力を伝えるためにコスメ系クリエイターにコンテンツ制作を依頼しました。配信された動画は、ユーモアと親しみやすさのある内容で話題を呼び、370万回以上再生され、約11万9千ドル(約1,800万円)の売上を記録しました。商品の魅力がクリエイターの手掛けるコンテンツによって拡散され売り上げを伸ばした事例です。

事例3:GQ Apparel(タイ)

出典:TikTok for Business Success stories GQ Apparel x Digital Bites

3つ目に紹介する企業は、タイのアパレルブランド「GQ Apparel」です。同社は冷却機能を備えたジーンズ「GQ CoolTech Jeans」を開発し、TikTok Shopを駆使して大きく販売数を伸ばしました。クリエイターによる動画が視聴者の心をつかみ、関連動画の総再生回数は6,500万回以上に達しています。

ROAS(広告費用対効果)は560%を記録し、CPA(顧客獲得単価)は目標を30%下回るなど、話題性だけでなく費用対効果の面でも優れた成果を上げています。150名のクリエイターを活用し、Spark Adsを通じてクリエイター動画を広告配信したことで、大きな注目を集めた成功事例です。

売上向上につながるインフルエンサー(クリエイター)の見極め方と運用の注意点

ここからは、TikTok Shopにおいてクリエイターとの連携を通じてアフィリエイトプログラムを活用する際のポイントと注意点について紹介します。TikTok Shopでは自社商品との親和性の高いクリエイターとのコラボによって動画やライブ配信が話題を呼び、商品の売上が大きく伸びる可能性を秘めています。以降で詳しく解説しますのでぜひご覧ください。

効果的なインフルエンサー(クリエイター)選定の判断基準

インフルエンサー(クリエイター)を選定する際、主に以下のような基準で選ぶと効果が期待できます。

・リーチ力の高さ

・エンゲージメント率の高さ

・フォロワーと自社ターゲットとの親和性の高さ

TikTok Shopではクリエイター毎に販売におけるパフォーマンスをセラーセンター(管理画面)上で簡単に確認することが出来ます。

まず、リーチ力の高さは影響力を測る大きな指標です。TikTok Shop内での平均動画再生数に着目します。数千よりも数万、数十万の平均再生数を有するアカウントであれば、当然多くの人がコンテンツを目にすることとなります。特にTikTok Shopは「発見型」のECです。多くの人が動画や配信を偶然視聴することで、商品に興味を持ち、購入してもらえる確率が高まります。

次に重視すべきなのは、エンゲージメント率の高さです。再生数やフォロワー数が多くても、ユーザーがコンテンツに関心や信頼を示していなければ、購入にはつながりにくい傾向があります。対象アカウントが投稿している動画の「コメント」や「保存」、「シェア」などの反応にも注目することが重要です。

また、リーチ力やエンゲージメント率が高いクリエイターであっても、フォロワーと自社のターゲット層が一致していなければ十分な効果は期待できません。たとえば、美容・コスメ系クリエイターのフォロワーは、他の商材ジャンルへの興味を持ちにくかったり、同じ美容系のクリエイターでも男女比のバランスや年齢層のバランスが自社のターゲットと異なる場合があります。起用するクリエイターのフォロワーとセラーが想定するペルソナが一致しているか、事前にしっかりと確認しましょう。

また、ショート動画やライブ経由の実際の売上データをクリエイター毎に閲覧することができます。しかし、TikTok Shop開始直後の現時点ではデータが一部に留まるため、参考程度に活用するのがおすすめです。

インフルエンサー(クリエイター)起用で注意すべきリスクと対策

アフィリエイトは商品の認知拡大や販売促進に効果的な手法ですが、注意すべき点もあります。インフルエンサー(クリエイター)の発言や振る舞いによっては、動画やライブ配信での商品紹介が逆効果となるリスクを伴うため、慎重な対応が必要です。

クリエイターがコンテンツの拡散を重視するあまり、過激な言動によって炎上してしまうと、本人だけでなくアフィリエイトを依頼したセラーの信頼も損なわれる可能性があります。また、クリエイターに悪意がなくても、事実誤認や認識のズレがある場合には、実際の商品仕様と異なる情報を発信してしまうリスクもあるため注意が必要です。

こうしたリスクを避けるためには、クリエイターの適切な選定に加え、投稿内容の事前確認や配信前の明確なディレクションを行うことが非常に重要です。

まとめ

今回は、TikTok Shopにおけるインフルエンサー(クリエイター)活用の方法や海外での成功事例、そして実践時のポイントや注意点について解説しました。

TikTok Shopは、TikTokアプリ内で商品を販売できる新しいECプラットフォームです。クリエイターによるエンタメ性の高いコンテンツを通じて、売上の拡大が期待できる点が大きな特徴です。すでにアメリカ、ヨーロッパ、東南アジアなどでは、アパレルやコスメブランドを中心に多くの企業がアフィリエイトプログラムを活用し成果を上げています。動画やライブコマースでのクリエイター活用は、TikTok Shopを成功に導く重要なポイントです。

日本でも今後、TikTok Shopの市場が大きく盛り上がることが予想されます。本記事を通じてインフルエンサー(クリエイター)戦略に興味を持った方は、ぜひこの新たなビジネスチャンスで売り上げ向上に挑戦してみてください。

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